しまなみの島暮らし

現在私は、愛媛県上島町岩城島という小さい島に住んでいます。広島県尾道愛媛県今治を結ぶ「しまなみ海道」沿いにある、上から見ると三角形の形をした周囲約12㎞程度の小さい島です。
西瀬戸自動車道は通っておらず、本州や四国と連接する橋は架かっていません。(上島町の島々は町内の島以外に橋は架かっていません。)
現在、隣の生名島との間に橋の建設が進んでいますが、これは、上島町内の島を結ぶものでこれも本州・四国ともにつながっていません。
上島町は、島だけからなる町で、本州・四国にはつながっていないのです。なので島内(町内)から本州や四国に渡るには、先ず船に頼ることになります。
岩城島には、定期船の発着港として岩城港(島の南部)、長江港(島の西部)と小漕港(島の北部)があって、岩城港からは今治から因島方面を結ぶ高速艇、長江港からは因島の土生港行きのフェリー、小漕港からは生口島の洲江港との間でフェリーが運航しています。
私は、島内南西端にある会社の寮に単身住んでいます。元はリゾートホテルだったものを会社で買い取り、現在は社員(独身)寮となっています。
朝・夕の食事が出て、これがとても美味しいのですが、日曜日には食事の提供はありません。
私が見たところ、岩城島内で食料を買えるのは、生協のスーパー(コープ)とデイリーヤマザキ、それに小さい食料・雑貨店の3店のみです。そのコープも日曜が定休日なので日曜の食事をどう確保するかは大きい問題です。
パンやカップ麺程度であれば、デイリーヤマザキで、足りる部分もありますが、やはり3食ともでは味気ありません。
対岸の因島生口島には大きめのスーパーもありますので、私は通勤用に買った電動アシストの折畳み自転車(パナソニック「オフタイム」)を車に積んで港まで運び、その自転車でフェリーに乗って向かいの島に渡って買い物をすることが多いです。
食料のほかに、100円ショップで消耗品も買い貯めます。寮の部屋はホテルスタイルのためシンクがありません。なので、食器を洗わずに済むように紙製の食器や割ばしを買い込むのです。
寮には大きめのごみ置き場があって、そこには日を問わずに出せますので、部屋が匂うこともありません。
寮と会社(造船所)の位置関係は、ちょうど島の対角線にあって、通常は島の西海岸沿いを通る道路を通ると約5km、上り坂20%、下り坂20%であとの60%はフラットな道で、車の通行量は少ない割りに道幅も十分で、約20分の通勤時間を快適に走ることができます。
島から自転車で渡って、しまなみ海道のサイクリングコースを走ることもあります。島々をつなぐ橋の上を自転車で走るのは爽快で、オフタイムで登る坂道は楽々ではありますが、相当に長時間走るので、ケツの痛みがたまりません。
それが、オフタイムの玉に傷なところです。しまなみサイクリングコースを走っていると多くのサイクリングツーリストに出会います。皆さんしっかりしたサイクリングロードバイクに跨って走っています。そのスタイルもヘルメットからきている服装まで同じようないでたちで
電動自転車とはいえ「ママチャリ」的なスタイルの自転車に乗っているのは自分だけで、ちょっと恥ずかしくなります。皆さんすごいなと感心していると、橋の傍の公園に同じようなスタイルの集団がレンタルサイクルショップから続々と出てきました。
「なんだ。ツアー客か」と合点がいきました。スタイルが揃っていたのも、日本人に多い「形から入る」特性を現わしていたようです。たしかに、かっこよく決めた若い女性が坂道を自転車を押しながら歩く光景を幾度か見たのにも納得がいきました。

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多々羅大橋
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橋の上の県境
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耕三寺の紅葉